キャンピングカーの足回り改造のメリットデメリットとは

キャンピングカーの足回り改造のメリットデメリットとは

キャンピングカーの乗り心地ってイマイチ良くないな…。

キャンピングカーを実際に購入してから、走りの不安定さを知る人が少なくないようです。

日本のキャンピングカーは、バンやトラック等をベースにして造られていることが多くなっています。
ベース車自体は荷台に人を乗せることを想定していないため、キャンピングカーの乗り心地が良くないのはある意味で当然なのかもしれません。
また、乗用車のような足回りになっていないことも、走りの不安定さにつながっているようです。

キャンピングカーの足回りを改造することで、乗り心地の悪さや、走りの不安定さを改善することができます。

今回は、キャンピングカーの足回り改造のメリット・デメリットと改造の5つの方法を解説します。

キャンピングカーの特性

キャンピングカーは、風を受ける面積が広いため、横風の影響を受けやすいという特徴があります。
キャンピングカーを運転中に大型のトラックが隣を通過して、車体がふらついた経験がある方もいるでしょう。

また車高が高いため、カーブをまがるときや少しのハンドル操作でも一般の乗用車より遠心力が強く働き、横揺れが起きやすいといった性質があります。

さらに、ルーフやルーフ近辺に装備品が多いと重さで重心が高くなり、横揺れが発生する可能性が高まる場面も考えられます。

これらの問題点を解消する方法としてキャンピングカーの足回り改造という手段があります。

足回り改造のメリット

走行の安定性が高まる

足回りを改造することで、地面からの振動を緩和したり、横揺れを軽減したりできるので、改造前に比べて走行が安定します。
コーナリングや車線変更のときに、走りの安定性をより感じられるでしょう。

同乗者の車酔いを減らせる

足回りの改造によって車両の揺れが少なくなると、後部座席に長時間乗っていても疲れにくくなり、車酔いをすることも減ります。

また、車種によってはリアの足回りが弱いものがあります。
リアの足回りを強化することで、ハンドルを切ったあとにフロントからリアへ移動する揺れを吸収できるため、車両の安定性が増し同乗者の車酔い対策になります。

そんな足回りの改造について簡単に説明していきたいと思います。

足回り改造5つの方法

高性能のタイヤに交換

様々な設備が搭載されたキャンピングカーは、一般車と比べて車体の総重量が大きいため、車体を支えるタイヤは重要なパーツです。

高性能で人気があるのは、ミシュラン製の「クロスクライメイトキャンピング」です。
ヨーロッパでは、多くのキャンピングカーが採用しているようです。
キャンピングカー専用に製造されているタイヤなので、安心して使うことができます。
高い強度を保てるタイヤ構造をしていて、耐久性にもすぐれているのが特徴です。

キャンピングカーは、普通車よりもタイヤにかかる負荷が大きく、目視点検のできないタイヤ内部にダメージを受けやすいため、タイヤは3年ごとに交換するのが良いとされています。

また、タイヤの空気圧もとても大切です。
キャンピングカーには、車両に応じて指定された適正なタイヤの空気圧があります。
空気圧が低下した状態で走行すると、タイヤが破裂する危険性が高まります。
定期的にガソリンスタンドなどで点検してもらうと安全です。

サスペンションの強化

サスペンションは、金属のバネで路面から車体に伝わる揺れや振動をやわらげ、走行の安定性を高めるパーツです。
サスペンションを強化することで、高速道路などでの大型トラックの追い越し時の横揺れを軽減したり、段差でのグラつきを少なくしたりできるため、ドライバーの疲労感を減らしてくれるでしょう。

また、サスペンションは金属のバネだけでなく、空気圧によってバネの機能をするタイプの物もあります。
空気の量を調整することで、乗り心地が改善されます。

スタビライザーの装着

スタビライザーはサスペンションに装着するパーツで、車を並行に保つ働きをします。
キャンピングカーにスタビライザーを装着することで、カーブを曲がるときに発生する、ロールといわれる車体の傾きを抑えることができます。
また、走行が安定するので、大型トラックなどの追い越し時に起きる横揺れの軽減や、同乗者の車酔い対策としても期待できます。

ブレーキパッドの強化

キャンピングカーはベース車の重量をもとに製造されていることも少なくないため、ノーマルのブレーキパッドでは、ブレーキの効きが悪いと感じることがあります。

ブレーキパッドを強化品に交換することで、制動力が高まるため、街乗りはもちろん山道や坂道などでの走行の不安を軽減できます。
また、急ブレーキを踏む場面があっても、慌てずに対応できるでしょう。

注意したいのは、標準のブレーキパッドに設置されている摩耗等の異常を知らせる残量警告装置が、後付けの強化パッドには設置されていない場合もあることです。
そのため、ブレーキパッドを強化品に交換しても、安全性を過信せず、定期的に点検を行いましょう。

足回り改造の注意点

足回りを改造すると乗り心地が改善するため、キャンピングカーの性能が上がったと錯覚を起こしてしまいがちです。

しかし、キャンピングカーの足回りを強化しても、コーナリング時にかかる遠心力や総重量、重心の高さが変わるわけではありません。

横転等の危険を常に心にとめて、スピードを出し過ぎないようにすることが肝心です。

まとめ

今回は、キャンピングカーの足回り改造のメリット・デメリットと、改造の5つの方法について簡単に解説しました。

キャンピングカーの使用頻度や、後部座席に人が乗る機会が多いか等を踏まえて、パーツ選びをすることがおすすめです。

また、ブレーキパッドの強化は他の改造の方法に比べると費用を抑えられるので、まずはブレーキパッドを強化品に交換するのも良いでしょう。

改善したいキャンピングカーの不具合に合わせた改造を行い、快適なドライビングを楽しみましょう。
そして、大きな事故につながらないように、キャンピングカーの特性を理解して運転することが何よりも大切です。